実際の症例
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この子は5歳のコッカスパニエルです。前日後肢が麻痺し、当日は立つことが出来ないとのことで急きょ来院されました。写真の通り、後ろ足が麻痺して立てない状態でした。
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レントゲン写真
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造影検査を行いましたが、異常部位に造影剤が流れない状態でした。おそらく脊髄に腫脹があり、流れることが出来ない状態と思われます。
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手術中写真
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進行性脊髄軟化症の場合は、残念ながら予後不良のため通常は手術適応外なのですが、まだ確定的な状態ではなかったため、可能性にかけて手術となりました。神経の下に椎間板物質がありましたので、摘出しましたが、神経が通常よりもやや赤い状態でした。おそらくこれは神経自体の炎症を起しているために起きることで、残念ながら予後は難しいといわざるを得ない状態でした。
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炎症が進行した状態
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手術は問題なく終了したのですが、この3日後なくなってしまいました。写真は他の子ですが、この病気を発症すると、上に向かって神経が壊死してしまうため、最終的には延髄障害による呼吸不全で亡くなります。その前にこのような目の内側の膜がでてきます。(ホーナーズ症候群)この病気は死亡率が非常に高く、発症するとほぼ全例が死亡するという病気です。しかし少数ながら進行が止まり、車椅子ですが生活できている子もいます。現在この病気の原因としては、活性酸素などが影響している可能性があるといわれています。当病院で活性酸素を除去ならびに出来るだけ活性酸素に体が強くなる治療を行っております。もしこの病気で、お困りの方がいらっしゃいましたら、すぐに病院まで御連絡くださいね。
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