症例1(脊髄変性) レントゲン脊髄造影所見
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症例はネコ、約7歳のMIXです。1週間前から歩き方がおかしいとのことで来院されました。しばらくステロイドで様子を見ていたのですが、改善がないため、脊髄造影検査という神経の異常を調べる検査を行ったところ、途中で造影剤が止まってしまう所見が認められました。
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症例1(脊髄変性) MRI所見
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大学にてMRI検査を行ったところ、造影剤の異常位置とほぼ同様のところから脊髄本体に異常が認められたため、このケースでは残念ながら、手術不適応と判断されました。その3ヵ月後残念ながら亡くなってしまったため、原因の究明はできませんでしたが、もしこのようなケースを早く発見していれば、治療の手立てが見つかったかもしれません。もし、ネコちゃんの後肢があまりうまく動かないといった症状が出てきましたら、すぐに様子を見せてくださいね
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症例2(猫伝染性腹膜炎 FIP) レントゲン所見
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症例は約3才、雌、MIXです。1週間ほど前から、腰が抜けているようだとのことで来院されました。ステロイドで様子を見ていたのですが、改善がないため、脊髄造影を行ったところ特に問題はありませんでした。
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症例2(猫伝染性腹膜炎 FIP) レントゲン脊髄造影所見
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内科的治療を3週間行ったのですが、改善が認められないため、脊髄造影検査を行いました。左が3週間前のレントゲンですが、造影直後のレントゲンと比べて腎臓が腫大していました。(これが、猫伝染性腹膜炎の特徴的所見です)なお、造影所見では異常は認められませんでした。残念ながら検査翌日死亡してしまったため、剖検を行い、病理検査を行ったところ猫伝染性腹膜炎:FIPの確定診断がつきました。これもあまり認められないケースですが、もしこのように後肢麻痺が出た場合はいろいろな疾患が考えられますので、なるべく早くつれてきてくださいね。
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