実際の症例
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この子は、10歳の男の子です。2〜3年前から顎の下に膨らみがあるとの事で来院されました。このような顎下にたぷたぷした腫脹が唾液腺嚢腫の特徴です。原因は唾液腺の一部がふさがって起きている可能性があるのですが、ほとんどの場合は原因不明です。
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麻酔時+液を抜いている状態
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再手術で根元まで摘出することをお勧めしたのですが、麻酔を長時間かけることに、飼い主さんが同意いただけなかったため、内科的治療を選択しました。このような場合はまず液体を抜いて、それからいくつかの薬剤で固める治療を選択しました。麻酔下での腫脹は明らかで、抜けてきた液は血液交じりの唾液でした。
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麻酔下での処置時
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今回は、唾液をすべて吸引し、洗浄を行いました。初回はテトラサイクリンという抗生物質を洗浄後、唾液腺嚢腫内に注入し、様子を見たのですが、再発したため、2回目はテトラサイクリン+自己血液による治療を行いました。残念ながら、それでも再発したため、3回目はテトラサイクリン+自己血液+ステロイドを注入しました。
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3回の処置後の状態
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多少時間はかかってしまいましたが、ようやく腫脹は収まってきて、今ではほとんどなくなりました。また、多少は残っていますが、これは液体貯留ではなく、唾液腺が溜まっていた袋が慢性経過で厚くなってしまい、それが少し残っている状態です。本来でしたら、手術がベストといわざるを得ませんが、状況によってはこのような選択肢もありますので、もし、このような病気でお困りの方がいらっしゃいましたら、一度ご連絡くださいね。
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