|
このページでは、血栓症を伴ったネコの心筋症について記述しています。
|
初診時の写真
|
|
この子は、10歳の雑種ネコです。突然腰が砕けたようになって、歩けなくなったとのことで来院されました。診察時両後肢は麻痺し、先端が冷たくなっていていました。これは血栓症という血管な中に血の塊が詰まってしまって血行が悪くなるために起きる現象で、ネコちゃんの心臓病では比較的多く随伴する所見です。
|
|
初診時の胸のレントゲン写真
|
|
レントゲン撮影を行ったところ、典型的な心筋症を疑う所見がいくつか散見し、特に心陰影の拡大と気管の挙上および肺野のエアーブロンコグラム(肺水腫がある所見)が認められました。
|
|
治療前後の比較レントゲン写真
|
|
この時点で呼吸も速かったため、心筋症にアクトシン、肺水腫にラシックス(利尿剤)と血栓症に対してウロキナーゼ(血栓溶解剤)を使用しました。治療17時間後の所見では、心臓と肺にかなりの改善が認められましたが、足の動きが悪いため手術を検討していたところ、残念ながら、この後状態が急変し亡くなってしまいました。状態がよくなっても心臓病を持つ子では急な状態の変化がよく認められますので、そのことを実感させられた症例です。ただ、この病気を発症しても治療に反応してくれる子をいますので、もし、このように急にネコちゃんが腰砕けのようになったという症状が出ましたら、一刻を争いますので、すぐにご連絡くださいね。
|
|
|
COPYRIGHT(C) あいの動物病院 ALL RIGHTS RESERVED.
|
|