急性フィラリア症を起こした心臓の図
|
|
フィラリア症は、その寄生虫によって心臓や肺にダメージがおきて発症する病気のことです。通常は変な咳やお腹が腫れてきた等の症状が多いのですが、フィラリア感染症を起こした1割弱の子は、急激に症状が悪化し死に至る非常に怖い病気を越してしまいます。今回はそのケースの治療について記載してあります。なお、上図はその状態になったときの心臓とフィラリアの様子を図示しています。
|
|
手術の概要1
|
|
フィラリアによって心臓の血液の流れが非常に悪くなっていますので、すぐに摘出が必要となります。摘出方法は首の血管(上図)から鉗子(上図:比較対象は鉛筆)を入れて心臓内のフィラリア(上図)を摘出します。
|
|
手術の概要2
|
|
まず、術野を消毒します。次に首の血管を露出・切開して、フィラリアを摘出するための鉗子を入れます。エコーで、心臓内に鉗子が入っているのを確認しながら、フィラリアを摘出します。また全部取れたかどうかもエコーにて確認しています。
|
|
摘出したフィラリア
|
|
これが実際のフィラリアの写真ですが、20cmほどの大きさがあります。これが、通常の手術では15〜20匹ほど、多いときでは50匹以上取れます。最近はだんだん少なくなってきていますが、残念ながら田舎ではまだまだある病気です。(おそらく東京ではフィラリアを見たことがない獣医さんのほうが多いのではないでしょうか?)もし、ワンちゃんが急に元気食欲がなくなり、血尿をしているという症状がありましたら、この病気の可能性が高いので、すぐにご来院くださいね。
|
|
|
|