実際の症例とレントゲン写真
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この子は、7才のミニダックスです。約半年間、鼻水やくしゃみがあるとのことで来院されました。レントゲンを撮影すると、右側のレントゲン透過性が少し、高めですが、腫瘍のような骨溶解などは認められませんでした。
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鼻腔からの組織採取
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このようなケースでは、診断がきちんと出ないと治療方針が定まらないため、麻酔下で鼻の組織を採取しました。図のように鼻の奥から大量の蓄膿が採取されました。同時にストローを入れて組織を採取しました。
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病理組織検査
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病理組織診断はカタールを伴う炎症所見と出ました。アレルギー性鼻炎の診断は、ずばりその診断が出るというわけではなく、各種の検査結果と他の診断を除外して、断定していきます。上記より、腫瘍性が否定できました。また、鼻汁を培養検査しましたが、細菌や真菌は陰性でした。これらから、残るはアレルギー性疾患の可能性が極めて高いと推測できます。
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治療の様子
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上記より、アレルギー性鼻炎+蓄膿症の可能性が極めて高いことから、定期的な鼻腔洗浄をお勧めいたしました。ちょっとかわいそうにも思えますが、やり方は上記のように管を鼻に入れ、生理食塩水を1回5〜10ccほど一気に鼻にいれ、洗浄します。このときくしゃみと共に蓄膿(鼻汁)がよく出てきますので、すぐにタオルでふき取り、これを左右繰り返します。
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現在の様子と使用している薬剤
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洗浄を行うだけでは、蓄膿症に対する治療のみとなってしまいますので、アレルギーに対しては、定期的に内服を処方しています。具体的には、プレドニゾロンとアザチオプリンを組み合わせて治療していますが、現在はかなり状態が改善し、あまり鼻水は出ない状況になってきました。アレルギー性鼻炎はこのように鼻の長い犬で多いように思えます。もし、ご自宅のワンちゃんで鼻炎症状が治まらないようでしたら、一度ご相談くださいね。
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