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症例2 多発性線維性骨異形成症が疑われた犬の治療例
この子は1歳11か月の
ゴールデンレトリバーで男の子です。
だんだん足を痛がって
つかなくなってきたということでした。
経過(治療前レントゲン検査)
レントゲンを撮ると、
薄くなっていることがわかります。
これは、骨が溶けているという所見です。
治療前CT・MRI検査
骨溶解病変
大腿骨にも病変あり
名古屋動物医療センターにて撮影
レントゲン・CT・MRIから脛骨骨溶解+大腿骨にも
病変があることがわかります。
3DCT画像
外側課
内側課
3DCT処理で見ても、大腿骨・脛骨が多発的に脱ミネラル化している事がわかります。
脛骨溶解部断面CT画像
脛骨溶解部を断面で見てみると、皮質が完全になくなっていることがわかります。
この部位より、組織生検を行いました。
病理検査:診断不可
弱拡大像
骨梁間に非上皮性細胞の
単一細胞群の増生
中拡大像
紡錘形細胞が流れるような
模様を形成しながら増殖
強拡大像
増殖細胞は概ね紡錘形
核は腫大し、
明らかな異型性は認められず
これらの所見よりこの時点での鑑別診断としては、
・多骨性線維性骨異形成症
・高分化型線維肉腫
・線維芽細胞性骨肉腫等
があげられるものの、いずれも決め手に欠きました。
通常このようなケースですと、内服(痛み止め)で経過観察し、
レントゲンにて骨溶解の程度を診ながら治療方針を考えるか、
残念ながら断脚のどちらかと思います。
この時点では、前癌状態の可能性もありと判断し
すぐに治療を行います。具体的には以下の項目を行いました。
治療内容
1:大量自家血オゾン療法 (別名:血液クレンジング)
2:血液紫外線療法 (別名:血液フォトセラピー)
上記どちらも1週間毎併用
3:高気圧酸素療法(酸化療法3カ月後よりスタート)
酸化療法を何回か行うと、下写真のように血液が酸素化されているのがわかります。
これはどちらも採血直後でオゾン等を反応させる前の状態です。
血液クレンジング・フォトセラピー前
血液クレンジング・フォトセラピー8回後
治療経過レントゲン
治療前
治療3か月後
治療8か月後
治療1年2か月後
治療前(上外側課・下内側課)
治療1年3カ月後
3DCTでも、大腿骨・脛骨共に骨の状態がよくなっているのがわかりますね。
治療後は骨増殖が認められておりますが、まだ完全とまではいかないことがわかります。
このような治り方は、通常腫瘍とは異なる可能性があると判断し、線維性骨異形成症
の可能性が高いと判断しました。
この病気は、獣医領域での報告が少ないのですが、
人医学ではまれに骨肉腫への移行が認められております。
ですので、今後も治療継続が必要と判断されました。
治療前はほとんど足をつくことがありませんでした。
治療3か月間は少しずつ様子はよくなっていったのですが、
実感が乏しかったため、その後は高気圧酸素療法を併用いたしました。
併用後は非常に経過良好です。
下記動画は治療7カ月後の様子です。
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